建設業に関する「技術者」とはいくつかの種類が存在します。今回は、この「技術者」の違いについてまとめます。
技術者と一言にいっても、建設業許可要件でもある「営業所技術者」、配置技術者の「主任技術者」「監理技術者」、経営事項審査(経審)の加点項目でもある「技術職員」「技能者」です。
これらについて解説させていただきます。
Skip to Contents
営業所技術者
営業所技術者とは、建設業許可を取得する際に、その業種ごとに適正な請負契約の締結や工事の適正管理等をする技術的責任者のことを指します。
資格等
営業所技術者となれる資格要件に関しては主に以下のものです。それぞれの業種に合った資格や経験が必要です。
①国家資格
②国家資格+実務経験
③指定学科卒+実務経験
④実務経験(10年)
また、営業所技術者となるための直接的かつ恒常的な雇用関係については以下のとおりです。
直接的雇用
その建設業者との間に第三者の介入する余地のない雇用に関する一定の権利義務関係(賃金、労働時間、雇用、権利構成)が存在することをいいます。
「派遣社員」は一定の権利義務の関係からもちろん認められません。一方、「出向者」に関しては出向契約書等によって権利義務関係を証すれば営業所技術者として選任は可能です。
恒常的雇用
営業所技術者に求められる恒常的雇用関係は原則、申請日時点でのその会社での雇用関係の確認がなされます。
「健康保険証」「健康保険厚生年金保険標準報酬決定通知書」「住民税特別徴収額決定通知書」などで証明します。
監理技術者等
建設業法上の配置技術者には「主任技術者」「監理技術者」の2種類あります。(以下、監理技術者等)
監理技術者等になるためには、先述の営業所技術者と同等の資格要件が必要です。
監理技術者となるための直接的かつ恒常的な雇用関係については営業所技術者のものと少し違い、以下のとおりです。
直接的雇用
その建設業者との間に第三者の介入する余地のない雇用に関する一定の権利義務関係(賃金、労働時間、雇用、権利構成)が存在することをいいます。
営業所技術者と同様、「派遣社員」は一定の権利義務の関係から認められません。
営業所技術者との違いは「在籍出向者」は直接的雇用関係が認められません。
直接的雇用性があれば、通常の正規従業員に加え、有期雇用契約者やパート職員など雇用形態はどのようなものでも構いません。
ただし、その工期中のみの有期雇用者や短時間労働者の場合は恒常的雇用の概念にも反するため認められません。
また、有期雇用者の場合は工期と雇用契約期間には気を付けましょう。場合よっては事前に発注者の了承を必要とします。
恒常的雇用
監理技術者等に求められる恒常的雇用関係は原則、過去の勤続期間、契約時点でのその会社での雇用関係の確認がなされます。
営業所技術者と同様、「健康保険証」「健康保険厚生年金保険標準報酬決定通知書」「住民税特別徴収額決定通知書」などで証明します。
また、監理技術者である場合は、監理技術者証の所属建設業者も正確なものとなっていなければなりません。
一定の期間にわたり当該建設業者に勤務し、日々一定時間以上職務に従事することが担保されていることに加え、監理技術者等と所属建設業者が双方の持つ技術力を熟知し、建設業者が責任を持って技術者を工事現場に設置できるとともに、建設業者が組織として有する技術力を、技術者が十分かつ円滑に活用して工事の管理等の業務を行うことができることが必要です。
このことから公共工事の場合は、入札の時点から3か月以上前からの勤続性が求められます。民間工事の場合は規定は存在しませんが相応の期間が望ましいです。
経営事項審査(経審)
経営事項審査(経審)上の技術者は「技術職員」「技能者」の2種類あります。
「技術職員」「技能者」についてはこちらもご参照下さい。
技術職員や技能者としての資格要件は原則、先述の営業所技術者と同等の資格要件が必要です。
経営事項審査(経審)の技術職員や技能者となるための直接的かつ恒常的な雇用関係については、以下のとおりです。
直接的雇用
経営事項審査(経審)においての直接的雇用関係は、先述の営業所技術者と同様とお考え下さい。
「出向社員」も加点対象となります。営業所技術者と同様、「出向契約書」によって権利義務関係を証明します。
恒常的雇用
審査基準日以前に6ヶ月を超える恒常的な雇用関係があり、かつ、雇用期間を特に限定することなく常時雇用されている者でなければ評価対象になりません。
監理技術者等の要件とは違い、有期雇用契約、パート職員は「技術職員」「技能者」共に認められません。
ただし、有期雇用契約のうち65歳以下の職員については高年齢者雇用安定法の継続雇用制度対象者は、有期雇用契約であっても、恒常的雇用関係がある者とみなして、評価対象となります。
確認書類は、審査基準日以前6か月前のものと現在の恒常的雇用の確認書類が必要です。
まとめ
これらのように、一言に「技術者」といっても、いくつかの場面によって要件や、求められるものが違います。
それぞれの違いについてしっかりと把握し、うっかり違法状態を生まないように気を付けましょう。
ORION行政書士オフィスは、愛知県一宮市に拠点を置く建設業関係法務を専門的に取り扱っている行政書士事務所です。
建設業専門だからこそ、伝えるお相手に簡単にわかりやすく必要な情報の提供が可能。
当行政書士オフィスは「インフラ事業のパートナー」がモットー。
貴社の業務に関する法律相談はもちろん日常的なご相談役としての人脈にお役立てください。
愛知県内全域
■名古屋市■一宮市 ■瀬戸市 ■春日井市 ■犬山市■小牧市■稲沢市 ■尾張旭市 ■岩倉市 ■豊明市■日進市 ■清須市■北名古屋市 ■長久手市 ■東郷町 ■豊山町 ■大口町■扶桑町■江南市■津島市 ■愛西市 ■弥富市 ■あま市 ■大治町■蟹江町 ■飛島村■半田市 ■常滑市 ■東海市 ■大府市■知多市■阿久比町■東浦町 ■南知多町 ■美浜町■武豊町■岡崎市■碧南市 ■刈谷市 ■豊田市■安城市■西尾市 ■知立市■高浜市 ■みよし市■幸田町■豊橋市 ■豊川市 ■蒲郡市■新城市■田原市■設楽町 ■東栄町 ■豊根村
岐阜県内全域
■岐阜市■大垣市■高山市■多治見市■関市■中津川市 ■美濃市■瑞浪市■羽島市■恵那市■濃加茂市■土岐市 ■各務原市■可児市■山県市■瑞穂市■飛騨市■本巣市 ■郡上市■下呂市■海津市■岐南町■笠松町■養老町 ■垂井町■関ケ原町■神戸町■輪之内町■安八町■揖斐川町 ■大野町■池田町■北方町■坂祝町■富加町■川辺町 ■七宗町■八百津町■白川町■東白川村■御嵩町■白川村