経営事項審査

【経営事項審査】経審の「その他の加点項目(その他社会性等W点)」について

経営事項審査(経審)についての加点項目(その他社会性等W点)について説明します。

比較的に取り組みやすい項目については別ページにて説明しました。

【建設業】大臣認定 常勤役員等(経管)、専任技術者要件

建設業許可の新規許可の取得や、新たな業種を追加する業種追加許可などといった際に、必ず必要となってくる要件の中に、常勤役員等(経営業務の管理責任者)、その業種における専任技術者の配置が義務付けられていま ...

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その他の複雑な項目について説明させていただきます。

CPD(継続教育)

コチラに関しての基礎知識は別ページもご参照ください。

建設業における継続教育制度(CPD)とは?継続的な教育制度

CPDとは、技術者の継続教育のことです。 ・Continuing ・Professional ・Development の略です。 技術士、建築士・建築施工管理技士・土木施工管理技士などの有資格者であ ...

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CPDには各団体によって単位数は多少違いますが、教育を継続的に行うことが主旨とされています。各教育を受けた際にそれぞれの単位数がもらえる仕組みになってます。

単位をもらった際には各団体にその証明書を発行してもらうようにしましょう。

経営事項審査(経審)での加点の対象となるものは、審査基準日(決算日)からさかのぼって1年以内に取得した単位数になります。

確認資料:各団体の単位取得の証明書

CPDについて詳しくはコチラ

キャリアアップシステムにおけるレベル評価

コチラに関しても基礎知識は別ページをご参照ください。

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?経営事項審査(経審)

建設業キャリアアップシステムとは、 技能者個人の過去の就業状況や保有資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化等につなげるシステムです。 このシステムに登録をすることで、技能者ひ ...

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キャリアアップの仕組み的に、一定の要件に達することでレベル評価され4段階の評価が適宜されます。そのレベルが1段階上がった従業員がいる場合に加点される仕組みとなっています。

対象となるのは、3年以内に1以上のレベル向上があった場合です。

昨今の建設業界のキャリアアップの普及度の低さもあり他社との差別化にもつながります。

確認書類:キャリアアップ能力評価決定通知書

建設業キャリアアップについて詳しくはコチラ

キャリアップシステムの運用

先述のキャリアアップシステムのレベル評価でも触れましたが、やはり導入されている会社も少ないことから他社との差別化につながります。

加点対象となるものは以下の2つです。

  • すべての公共工事での運用がされていること(10点)
  • すべての工事(官民)での運用がされていること(15点)

多少ハードルが高いように見えるかもしれませんが、公共工事がそもそも受注が少ない会社であればすべての公共工事であれば無理なく加点となるかもしれません。

どちらにせよ、加点点数が決して低くはありませんので未導入の会社は検討してもよいかもしれません。

【建設業】キャリアアップシステム(CCUS)の経審における取り扱い

キャリアアップ(CCUS)とは 建設業キャリアアップシステムとは、簡単に説明すると事業者や技術者の就業履歴をシステム管理することによって事業者の技術者スキルレベルの管理や技術者個人のスキルや経験の見え ...

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ワークライフバランス認定

昨今の建設業界の課題でもある問題の対策の一つと言えます。

女性の雇用促進、若年者の雇用促進、育休等の子育てサポート建設業以外の大きな会社ではしっかりとされていることがありますが建設業界ではやはりまだ浸透していません。

その対策、促進としての新たな加点項目とも言えます。

ただ、新たに加点項目になったからといってすぐに認定がもらえるわけではないようです。

女性の雇用促進の「えるぼし」、子育てサポートの「くるみん」にあっては申請から認定までに手続きの面で2,3年を要します。加点を狙う場合は早めに策を講じるべきです。

その点、若年層の雇用促進「ユースエール」を優先するのもよいかもしれません。

えるぼしくるみんユースエール

民事再生法、会社更生法

こちらに関しては加点というより、減点方式です。

民事再生、会社更生期間中は、60点の減点がなされます。期間が経過した場合は営業年数が0年からリスタートとなります。

虚偽申請になってしますので加点ではなく、減点だからと言って隠蔽せず申告しましょう。

確認書類:民事再生、会社更生の開始された日がわかる書類

営業停止、指示処分の有無

建設業法等の違反によって営業停止や処分を受けている場合は必ず申告しましょう。

もちろんこちらも減点対象となります。

監査の受審

ここでの加点対象となるものは以下のとおりです。

  • 会計監査人設置会社(主に大会社※)
  • 会計参与設置会社(※2)
  • 経理処理の適正を確認した書類を提出した旨の書類を提出した(公認会計士、税理士、1級経理士のいずれかが作成したもの)

※大会社:資本金として計上した額が5億円以上又は、負債として計上した額の合計額が200億円以上

※2 非大会社かつ公開会社ではない取締役会設置会社で監査役を置かない会社は設置義務あり

確認資料:有価証券報告書、会計参与報告書等

研究開発費の有無

先述の会計監査人設置会社に限った項目です。

加点対象は、2年平均が5,000万円以上の場合です。

確認資料:過去2期分の注記表(注記表の記載漏れに注意)

ISO登録、エコアクション21認証

注意点として、認証されている営業所が自社のすべてが対象であることと、有効期限の確認はしっかりしましょう。

この項目ですが、経営面の注意点ですが、決して安くはない維持費がかかってしまします。

数十万円から100万円程度の費用が毎年かかってしまします。

もともと登録や認証を受けている場合はいいですが、新たに登録や認証を受けようとする場合は加点される点数との天秤にかけて考慮しましょう。

確認資料:登録(認証)証および付属書

まとめ

このように経営事項審査(経審)におけるその他審査項目(社会性)は種類が様々です。

自社で取り組みやすい項目から取り組んでいきましょう。

ただし、経営事項審査(経審)の加点のためだけに様々なことを取り入れるのではなく、あくまで自社の啓発活動として、成長を考慮して取り組むことが重要です。

最後に、その他の加点項目(社会性等)は経営事項審査(経審)を受ける業種すべてにおいて働く、ベースとなる加点項目の一つです。点数の底上げには十分な指標になります。

比較的に即効性もあるものから、中長期的な計画が必要なものもあります。

自社の状況を把握したうえで考慮していく必要があります。

 

 

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