今回は、建設業法の改正に伴って新たに規定された専任特例制度における「連絡員」について解説します。
連絡員とは、専任特例制度を利用した際に、現場配置が求められる技術者のことを指します。
では、この連絡員とはどのような技術者が対象となるのかを確認しましょう。
専任特例に関してはこちら
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連絡員
連絡員とは、専任特例制度を利用した際に、連絡その他必要な措置を講ずるための者を、「連絡員」として称します。
連絡員は、専任特例における各工事現場に置く必要があります。なお、同一の連絡員が複数の建設工事の連絡員を兼務することは可能です。
また、1つの建設工事の現場に複数の連絡員を配置することも可能です。
連絡員の責務
連絡員の責務は、監理技術者等が遠隔から指示等を受け、工事現場側にて適切に伝達し、円滑な施工管理の補助を行うこととされています。
例えるならば、工程会議や品質検査等が2つの工事現場で同時期に行われる場合などです。
連絡体制
必要な連絡体制としては、従来から求められているリアルタイムで遠隔で音声・映像の連絡がとれる「情報通信機器」を用います。
具体的には、スマートフォンや、タブレット端末、WEB会議システムで差し支えありません。
※山間部等において通信状況から遠隔での確実な情報のやりとりができない場合はこの要件に該当しませんのでご注意ください。
連絡員の資格
連絡員として配置される技術者は資格要件としては一部を除いて設けられていません。
建築一式工事業、土木一式工事業にあっては、実務経験が必要となります。
両一式工事においての求められる実務経験としては、当該工事における1年以上の実務経験です。
(実務経験として認められる内容は、専任技術者としての要件と同様です。)
連絡員の専任性・常勤性
連絡員に当該建設工事への専任や常駐は求めないものとされています。
よって、先述のように複数の現場での兼務も可能となります。
なお、連絡員の雇用形態については、直接的・恒常的雇用関係は必要なく、連絡員は当該請負会社が配置するものであり、施工管理の最終的な責任は請負会社が負うことに留意が必要です。
※監理技術者補佐を置く場合は、この限りではありません。
その他
この専任特例における連絡員の配置ですが、下請け次数が3次までのみでの運用となります。
施工途中において、下請け次数が3次を超えてしまう場合は、制度の適用ができなくなりますのでご注意ください。
これらの他にも、専任特例制度が利用可能な条件も多く定められていますので確認ください。
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