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【建設業】2024年問題から考える「不適正な工期が与える現場への影響」について

働き方改革による施策のひとつでもある時間外労働時間の削減

このことによって労働者にとって働きやすい環境の整備をして人材不足を改善していこうというのが目的です。

しかしながら、現実はどうでしょうか。様々な問題が多くの現場から聞こえてきます。

【建設業】2024年問題について 大きな課題をまとめ、今後の建設業界を見据えて分析

そもそも2024年問題とは 2024年問題とは、働き方改革による制度のことで、2024年4月から労働者がいかに働きやすい環境にするかという制度が始まります。(厳密にいえば、建設業界は猶予期間があったの ...

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2024年問題現場が抱える問題

ここでいう問題はというと、

要改善

工期的に労働時間の削減がそもそも難しい。

・大前提で、人手不足なので通常の業務も残業なしでは終わらない。

・日給月給の職員の給与が下がってしまう

大きく分けて問題点は上位でこのようなところでしょうか。

 

参考にデータも添付しますが、週休二日制の導入できない理由をまとめたものです。

画像引用元「令和4年度働き方改革における週休二日制、専門工事業の適正な評価に関する調査結果

不適正な工期が与える現場への影響

本題である、不適正な工期が与える現場への影響ですが以下のものがあげられます。

労働環境の悪化

後期に迫られることにより、早朝出勤、時間外労働、休日出勤を招く要因になります。

施工品質の低下

後期に余裕のない建設工事では作業員の長時間労働により施工ミスなどの完成度が下がります。

長時間労働による現場の安全性も危惧されます。

「工期」という概念とは

そもそも「工期」とは大きく「準備」「施工」「片付け」までの工程の期間のことです。

「施工」の期間だけではいことです。準備期間での材料の入荷遅れや必要以上の経費の高騰もあります。天候などの環境因子によっては施工がどんどん遅れることもあります。

それらを踏まえて工期を考えましょう

建設業法第19条によって「著しく短い工期の禁止」も定められています。

⇒「注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる機期間に比して著しく短い工期とする請負契約を締結してはいけない。」

工期に関する受発注者の責務

発注者の責務

受注者の長時間労働の時間規制に対する取り組みに対し協力する必要があります。

受注者から各工期に遅れの事象について報告を受けた場合は、適正に判断し契約の見直しをする必要があります。

 

受注者の責務

長時間労働長時間労働や週休二日の確保が難しくなるような工期での契約はしないようにすること。施工条件不明瞭な場合は発注者に対してその旨を通知し施工条件を明らかにするように努めなければなりません。

不明瞭な工期や短い工期での契約(工期のダンピング)は行わないこと。

契約は適切に行いましょう

また次の場合は、建設業法違反になる恐れがあります。

✅Case1

原材料費の高騰や納期遅延が発生しているにもかかわらず、追加費用の負担や工期について協議に応じない、または必要な契約の変更を行わなかった。

 

✅Case2

下請負人の責めに帰さない理由(前工程の延期)により工期を変更する際に、通常よりもかなり短い工期での契約を行った。

 

✅Case3

元請負人が不明確な工事内容の提示等、曖昧な見積条件により下請負人に見積させた。

 

工期に影響の出るよくある要因まとめ

・天候などの環境要因

・年末年始、GWの長期休暇や地域の交通規制

他法令による許可や届出が未完了による着工遅れ

・資材や労務の調達に要する時間、費用

前工程の工期延長(養生、塗料乾燥、材料納期遅延)

完了検査、竣工検査にかかる期間

まとめ

このように不適切に短い工期は長時間労働を招き、結果として労働者離れにつながります。

適正な管理の他に、一例として、「MR」「BIM/CIM」、「ICT」などの技術の取り入れを図ることにより省人化を図り生産性の向上を図っていくことも必要となってくるでしょう。

しかし、現実的に中小企業をはじめとする人員不足、経費不足の事業者にとっては大きな壁とも言えます。

今後の2024年問題とは上手に付き合っていくべきかと思います。

ORION行政書士オフィスは、愛知県一宮市に拠点を置く建設業関係法務を専門的に取り扱っている行政書士事務所です。

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