【経審】経営事項審査対策!次の経審で加点を増やしたい場合はまずは確認

経営事項審査(経審)における加点を目指していくには売上高を地道に上げていかなければいけないと思っていませんか?

正解は、もちろんその通りです。しかし、経営事項審査(経審)での加点は売上高のみではありません

経営事項審査(経審)の加点項目のうち、その他の加点項目として社会性の項目は決算日ギリギリであっても対策をとれるものがあります。そして長期的な計画でなくても加点が狙える項目を紹介させていただきます。

退職金制度の導入

退職金の制度を取り入れている企業は加点がされる仕組みです。

背景としては、建設業は業界的に、大工、とび、左官などといった職人さんが多く、その職人さんは一般的に一つの会社に長期的に雇用されるといったことがありません。

Aの現場では、①の会社で、Bの現場では②の会社で働くといった形態が多いというのが建設業界の昔からの働き方です。

そのため、一般的な企業でいう退職金制度を十分に受けることができません。

国は、このような職人さんにも、退職金を与え他の企業と同じような働き方を推奨しています。そのため、退職金制度を導入している場合は、加点がされるというわけです。

中小企業退職金共済事業

通称「中退共」です。中小企業向けの退職金制度です。掛け金としては、最低額5,000円/月から加入できます。

会社として加入することが条件ですので、従業員さんは例外はありますが全員加入しなくてはなりません。経費的にも比較的に取り組みやすいのではないでしょうか。また、福利厚生的な面においても従業員さんの満足度にもつながります。

加入方法も比較的に簡単で、お近くの金融機関で書類を提出すればすぐに加入できます。

中退共ホームページ

建設業退職金共済事業

通称「建退共」です。先ほどの中退共と運営は同じで、その建設業版だと思っていただければかまいません。

先述の通り、建設業界は決まった会社での雇用は珍しいといった背景があります。そのため働いた日数に応じて退職金を積み立てていく制度です。現場へ出るたびに320円の証紙(切手のようなもの)が貰え、それを専用の手帳に毎日貼っていくようなイメージで、通常1年の勤務で手帳1冊がたまります。

大きなメリットとしては、勤務先が変わったとしても手帳を保有していればそのまま退職金の積み立てを継続していけるという点です。

掛け金は、先述の中退共より少し高く、6,720円/月程度になります。

こちらも、会社として従業員の全員加入が条件となりますが、中退共に入っている従業員がいれば中退共でも可能です。なので、費用面も考慮して現場に出る職人さんは建退共、事務員さんは中退共といった運用も可能です。

加入に関しても書類をお近くの建退共本部、支部に提出すれば、約一か月で加入ができます。

建退共ホームページ

建設機械の導入

建設機械にあっては令和5年から加点対象の機械や車両の範囲が拡大されました。

その中でも、比較的に導入しやすいものを紹介します。

1台所有しているだけでも、5点の加点が望めますのでお勧めです。

ダンプ車両

従来の加点対象となる車両は、大型ダンプとなっておりました。令和5年から、この「大型」という制限がなくなりました。

つまり、小型車両でも加点対象となるということです。ここでお勧めしたいものは、軽自動車のダンプ車両です。

軽自動車のダンプ車両のメリットをお伝えします。

やはり、維持費が安いこと。毎年の税金も普通車と比べて安いです。車検に関してももちろん安く済みます。

そして何より、購入金額が安いことです。中古車両であれば、数十万円から市場に出ていますので、コストパフォーマンスもいいと感じます。

経営事項審査(経審)においての確認書類は、管轄自治体によって違いはありますが、所有権が自社であれば車検証のみです。

小型ショベル(ユンボ)

ショベル(ユンボ)に関しては、従来から加点対象です。他の建設機械と比べて重量制限なども設けられていません。ダンプ車両と同様、小型のものでもショベル(ユンボ)であれば加点対象となります。

こちらも、中古車両であれば数十万円から市場に出ています。コストパフォーマンスに応じて導入を視野に入れることをお勧めします。

経営事項審査(経審)における確認書類は、自社で所有していることの証明書類(売買証明書、リース契約書等)と、自主点検表です。

防災協力協定の締結

防災協力協定というのをご存じですか?

防災協力協定というものは、地域で災害等が発生した場合に地域の企業や団体等が協力して災害の復旧等に協力して活動する協定のことを言います。

この防災協力協定の締結方法ですが、2通りあります。1つは地域の地方公共団体(名古屋市の事業者であれば名古屋市)と直接協定を結ぶ方法、2つ目はその地方公共団体とすでに締結している団体等に加入することです。

協定を締結している多くの事業者さんは、2つめの団体等に加入をして間接的に防災協定に加入しています。

ホームページにて「○○市 災害等協力協定」などと検索してみると、協定の締結団体等が一覧等で掲載されている場合もありますので、一度確認をしてみるとよいでしょう。

法定外労災への加入

建設業法で要件化されている労働(雇用)保険の加入を強制保険と言います。それらに上乗せする形で加入する労働保険を「法定外労災」といいます。車でいうと自賠責保険と任意保険のようなものです。

加点対象となる条件は、以下のとおりです。

メモ

業務災害および通勤災害(出退勤とも)のいずれもが対象である

・直接の雇用関係にある職員および下請負人の直接の雇用関係にある職員の全てが対象である

死亡および労災障害等級1級から7級までのすべての身体障害が対象である

すべての工事現場が補償対象である

損保会社へ経審の上記の内容を含む内容で加入したい旨を伝えて確実に各項目漏れのないように加入をしましょう。

デメリットしては、経費が掛かってしまうことです。走行距離に応じて料金が高くなる自動車保険のように、こちらも売上高に応じて金額が高くなります。しかし加点点数も低くはないのでぜひ検討することをお勧めします。

まとめ

これらの加点項目は、比較的に容易に加点が望める項目です。そして何よりどれも1か月程度あれば充分加点対象となることができます。

すぐに経審の対策をしようとする場合や、経費面でも抑え目で加点を狙っていくにはどれもお勧めです。

今後、公共工事を狙っていこうとお考えの事業者は、すべての項目において加入していくことで、他社との差別化や、経営事項審査(経審)における評点のベースアップにもなりますのでぜひお考え下さい。

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